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院長コラム

赤ワインを注ぐ

嗜好から依存症 ...ワインと伴に。

 私の専門は循環器内科(高血圧・不整脈・心不全や弁膜症等の心臓病・不整脈等)なのですが、クリニックを開院し、多くの患者さんと向き合っておりますと、循環器疾患だけではなく、色々な疾患の患者さんの診療をさせて頂く事になります。

 かかりつけとして長くお付き合いをしていますと、日常生活の事も診療中の会話での中で話題になる事もしばしばあります。皆さんそれぞれ個性があります。当然自分の好きな事、凝っていることになると話が尽きなくなりますし、楽しく話され、会話を終えるタイミングが困る事もあります。

 趣味にしている事や、凝っている習慣が、日常生活に支障をきたすようになると、いわゆる“依存症“となる訳です。

 皆さんが、よく聞く依存症は薬物依存症、アルコール依存症、ゲーム依存症などと思いますが、世の中には物質的・非物質的な多くの依存症が存在し、個性的な依存症も存在します。

 様々な依存症を考え合う集まりに“日本アルコール・アディクション医学会“という学会、アルコールを中心とした“日本アルコール関連医学会“という学会があり、私も会員として勉強しております。

 色々な依存症らしき方を診療する訳ですが、日常診療で最も多く対応するのはアルコール依存症らしき方とニコチン依存症(タバコをやめれない人)です。

 タバコや覚醒剤等、“百害あって一利なし“という物質依存症もありますが、アルコールはどうでしょう ?アルコールは嗜好品でなので、“害を考えると一滴も飲まない方がいい“ という極端な発言をされる医師もおります。

 アルコール飲料の中でも、ワインと健康については、医学的研究も多く、適量のアルコールは食欲増進・消化促進の効果、善玉コレステロール(HDL)の濃度を上昇させる効果がある。ブドウの皮、種子には多くの抗酸化能(活性酸素消去能)が高いポリフェノールが含まれ、特に赤ワインに用いる黒ブドウの皮に多いレスベラレトロールは、血栓症予防、抗がん作用、老人性痴呆症やアルツハイマー病の予防などに効果があるとの論文もあります。

 私の今の研究・勉強のテーマは主の “心臓病・循環器疾患“ とともに “アルコールと健康“ 特に “ワインと健康“ と言うテーマももう一つの柱としております。

 近々、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートを取得し、人間(患者さん)が健康にワイン(アルコール)と共存できるように、アルコールの専門的な知識を保有する医師として医学的なアドバイスができればと日々研鑽しております。

 今の世の中では、昔からの法律的規制あり不可能ですが、世の中の変化は目まぐるしく、価値観の変化、既成概念の変化は様々な分野で起きています。

“なんて言う事を!!“と怒られる方といると思いますが、私が医師として現役の時代は無理だと思いますが、近い将来のクリニック(診療所)の診療体系として、昼は普通のクリニックとして患者さんの体の悩みを、夜はワインバーに形態を変えて患者さんの心の悩みを診るというスタイルもあるのでないかと思っています。

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